【数学思想の未来史】 グロタンディーク巡礼   

数学思想の未来史グロタンディーク巡礼

山下純一 著 
  A5判/750頁 定価5,800 円+税
ISBN978-4-7687-0444-8 分類:数学一般 在庫:あり
 本書のテーマとなっているアレクサンダー・グロタンディーク(Alexander Grothendieck, 1928 - 2014)は,新聞「ル・モンド」も書いたように,「20 世紀最大の数学者」だといわれることがある.「すべての時代を通して最大の数学者」だという人もいるほどだ.思考の対象を極限まで抽象化・一般化して,その対象の本質を暴き出すという「神秘的な飛躍」が,グロタンディークの数学の最大の特徴であった.普通の数学者たちには,「抽象化のための抽象化」「一般化のための一般化」としか見えないような場合でさえ,グロタンディークの手にかかると謎のように「神秘的な飛躍」が起こることもあった.
 本書は,これまでの「グロタンディークの深淵」を探るための旅と試行錯誤の記録である.雑誌『現代数学』での長い期間(2007 年 6 月号~ 2015 年 3 月号)にわたる連載記事を「脱構築」したもので,「グロタンディークの深淵」に接近するための「聖地巡礼の旅」の記録である.

■内容

    Ⅰ.時が煌めき 夢が甦る
    数学のロゴスとエロス,異常体験のインパクト,ヴェイユとリーマン,創造のプロセスを探る,ガロアと毛沢東,リーマン予想への道,内的欲動の表出,光に満ちた刑罰,絶縁状,自己神化への逃避,アンセストの称賛
    Ⅱ.萌芽と仄暗い無垢の中へ
    失楽園と甘美な孤独,因果の鎖を断つ,変性意識体験,欲動と創造,スートラとタントラ,夢の中の夢,ルリジオジテ,ペルソナ,近親憎悪の発生,詩的狂奔と終末論,精神疾患と創造性,理性と神秘主義,ウニオ・ミスティカ,数論と物理の融合,数学の神話,情動と夢,神秘体験
    Ⅲ.思い知るべき人はなくとも
    過去の訪問の回想,アストレの情報,トゥルーズとル・ヴェルネ,ラセールでの今生の別れ,ヴィルカンとカタリ派,メラルグとモルモワロン,マザンとシュリクと法華経,ル・ピュイとレゴと聖母,ル・シャンボンとラ・ゲスピ,コレージュ・セヴノル,マンドと少年時代,リュークロの収容所,ラルザックの反核闘争,無意識の自動運転,マテクリテュールの余韻,サン・ジロンとミュゲ,夢幻との訣別,リーマンの創造性,隠喩的創発性と数学夢,幻覚とラマヌジャン,ラセールの日,ラセールを歩く,夢と情緒と無意識,グロタンディーク逝く

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