黒川信重 著ゼータはオイラーやリーマンによる素数のまとめ上げの研究から出発し,今や至る所にゼータがある状態と言えます.ゼータのあるところに現代数学の研究があり,現代数学の主要なテーマは新たなゼータの開拓・研究なのです.まさしく,ゼータの冒険です.
A5判/206頁 定価(本体2,300円+税)
ISBN978-4-7687-1020-3
分類:数学一般 在庫:あり
本書ではできる限り素朴な視点から,現代数学に現れるいろいろなゼータを見ることにします.
内容
第1章 ゼータと予想と現代数学
- 1 ゼータとは
- 2 現代数学と予想
- 3 ゼータと予想
- 4 解ける予想の枯渇
第2 章 素朴なゼータ
- 1 素朴なゼータ
- 2 ゼータのはじまり:オレーム1350年頃
- 3 ゼータの発展:オイラー18世紀
- 4 素数のゼータ
第3章 群とゼータ
- 1 群のゼータ
- 2 具体例
- 3 リーマン予想の類似
- 4 解析性
- 5 群のゼータの歴史から
- 6 群のいろいろなゼータ
第4章 代数群のゼータ
- 1 代数群とは
- 2 乗法群
- 3 一般線形群
- 4 シンプレクティック群
- 5 楕円曲線とアーベル多様体
- 6 代数群でない場合の素朴な玉河数
- 7 深リーマン予想
第5章 ゼータと素朴な玉河数
- 1 玉河数とは
- 2 空からの眺め
- 3 特殊線形群の素朴な玉河数
- 4 2次の直交群の素朴な玉河数
- 5 楕円曲線の素朴な玉河数
- 6 合同ゼータ
- 7 ハッセゼータ
- 8 絶対ゼータ
- 9 乗法群のゼータ
- 10 特殊線形群のゼータ
第6章 群と表現のゼータ
- 1 群と表現
- 2 ゼータ
- 3 基本群のときの例
- 4 基本群のときの例
- 5 離散型ゼータ
- 6 連続型ゼータ
- 7 ゼータの使い方
- 8 ゼータの変形版
第7章 環のゼータ
- 1 環のゼータとは
- 2 環のゼータへの道
- 3 環のゼータの面白さ
- 4 環のゼータの行列式表示
- 5 環のゼータの難しさ
- 6 ラングランズ予想
- 7 どちらが先か?
- 8 基本群の問題
- 9 絶対数学の視点
- 10 環のゼータの育成
第8章 ゼータと分解・統合
- 1 分解ということ
- 2 ゼータの分解と統合
- 3 オイラー積の超収束
- 4 素数と原子
- 5 素数の超分解
- 6 素数ゼータの分解
- 7 ゼータの分解・統合から素数公式へ
- 8 ゼータの行列式表示から見た分解
- 9 絶対ゼータの分解・統合
- 10 ゼータの分解・統合の教訓
第9章 ゼータと量子化・古典化
- 1 量子化と古典化
- 2 有限体
- 3 古典化
- 4 仮想表現
- 5 量子ゼータと古典ゼータ
- 6 量子化6
- 7 リーマン予想の証明へ
第10章 ゼータと長期計画
- 1 ゼータの最初の長期計画:グロタンディーク
- 2 ゼータ長期計画候補
- 3 ベル研究所の長期計画
- 4 研究評価問題
- 5 植物の長期研究
- 6 日本における数学成果の発表
- 7 日本の数学の長期計画例
- 8 長期計画の実行と不正
- 9 反重力の夢
- 10 今後50年という期間
第11章 ゼータと誘導表現
- 1 誘導表現のありがたさ
- 2 誘導表現とは
- 3 保型形式
- 4 誘導表現の使い方
- 5 絶対ゼータの位置
- 6 誘導表現の分解
- 7 誘導表現のゼータに関する歴史的論文
- 8 誘導表現と有限群の既約表現
第12章 ゼータの真の名前
- 1 リーマンゼータの名称問題
- 2 保型形式のゼータは正しい名前か
- 3 ガロア表現という名前
- 4 セルバーグゼータという模範
- 5 ゼータという名前はどうか
- 6 分配関数という名前
- 7 数力
第13章 ゼータの旅立ち:リーマン予想の解き方
- 1 第13章という意味
- 2 リーマン予想を解く作法
- 3 リーマン予想を解く前に
- 4 リーマン予想を解いたとき
- 5 リーマン予想の解き方
- 6 リーマン予想が解けて
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